入寮型施設を頼る親の心理2022.11.03 23:26筆者自身は入寮型の施設とは縁はありませんでしたが、ひきこもり支援を謳う事業者の中には、当事者に合宿生活をさせながら支援を行うことをメインの手法として用いるものが多くあります。筆者は「こういうところに入れられると辛いだろうな」とは思いつつ、幸いにもついに入寮させられることはありませ...
自責してはいけない2022.09.26 23:14現職で親しくなった職員の方に、「実は以前、長いことひきこもっていたんですよ」と言ったところ、「そんな素振りは見せないのに、本当はずいぶん苦労されてきたんですね」と言われたことがあります。筆者の中ではひきこもりとは「何の苦労もなくダラダラと生きている」というそしりを免れないものと固...
駅前で名刺交換を求めてくる人と労務管理2022.08.02 23:11駅前や駅舎の中で突然知らない人から「新人研修で100人の方と名刺交換をしています!名刺を交換してください!」と声を掛けられることがあります。先に述べるとこれは単なる名刺交換の練習ではなく、渡した名刺の情報を流用して、後に職場や自宅に営業の電話が掛かってくるという詐欺行為なので、安...
大企業でのアルバイトのすすめ2022.06.29 23:03就労の第一段階としてアルバイトをする場合は、アルバイト先の仕事が面白そうで興味が持てることが大事です。最終目標を「生き生きと楽しく働ける正規の仕事に就職する」とするなら、第一段階としてアルバイト先を選ぶときは中途半端に時給が高いことよりも、自分が「興味を持って楽しく長く充実して働...
正論を捨てる2022.01.18 00:32以前、精神科医の斉藤環さんの講演会で、「正論ではひきこもりは解決しない」というお話を伺いました。まったくその通りだと思います。筆者の社会参加・社会復帰も、正論を捨ててこそ成し遂げることができたものだと確信して止みません。広辞苑によれば、正論とは「道理にかなった議論」となっています...
どこで間違えた?2022.01.02 06:48以前別記事内で、「アニメや漫画のセリフから人生訓や脱ひきこもりのきっかけを何度も得た」という話を書きました。 (関連記事→アニメや漫画から得る人生訓) 当該記事内のセリフのように、それ自体に特別な訓諭が含まれているわけでないものの、筆者に大きな問いを投げかけた...
アルバイトで気をつけるべきこと2021.10.14 08:43ひきこもりからの脱出経路としては有効なアルバイトですが、構造上は弱い立場の労働者に対する搾取に直結します。 特段の理由がない限り、アルバイトは必要最低限に留め、積極的に正社員・正規職員を狙っていきましょう。 なお、アルバイトをするうえでは、職務への注力はほどほ...
集団生活型の支援機関について2021.03.26 22:46民間の事業者で、ひきこもりの就労支援として寮や宿舎で集団生活をさせ、プログラムを受けさせるサービスがあります。 集団生活が好きで、困難なことは専ら気合と根性で乗り越えるタイプの方なら効果が上がる可能性もありますが、より深く傷付いて再起に時間を要する恐れもあります。&nb...
親子カウンセリングについて2021.03.04 23:17親のカウンセリングへの同行は、自身は経験していませんが、効果が大きいのではないかと考えています。親子の密室に第三者が介入することで、互いにその病理に気付き、改善を試みることが期待できます。その場合、親側は耳の痛い経験をすることになると思います。当事者側としては、親側がセッションを...
何もないはすべてある2021.02.24 21:23インドのある有名なスピリチュアルリーダー(と書いた時点ですでに多くの方に察しがつくかと思います)が、テレビのインタビューに答えていた言葉で、案外示唆に富んでいたものがあり、いまも心の片隅に置くようにしています。 一応断っておくと、当該スピリチュアルリーダーの手品まがいな...
美術館の回復効果2021.02.16 21:51現代美術を鑑賞することは、社会の多様性の外縁部に触れる機会になります。芸術家という人々は、社会のメインストリームというよりは、マージナルな空間を主な視座として、そこからメタ化したり俯瞰したりして、他の人とは異なる切り口で社会を捉えることに長けています。そのような視座からオルタナテ...
日本社会と学校教育2020.12.15 23:17日本の学校教育の中で息苦しさを感じることが多いのは、その根底に明治期の教育理論が生き続けているからだと考えています。その教育理論のゴールに設定されているのは、富国強兵です。資源が乏しく体格的にも劣る日本人が優れた成果を生み出すためには、個々の力を伸ばすより、命令通り忠実に動く、標...