筆者は就労する際、オープンとクローズを使い分けてきました。
これは賛否ある態度かもしれませんが、障害者として社会を生き抜くうえで必要なこと、頼るべきことだと思っています。
なお、現在は微妙にオープンではあるが、一般枠の雇用の中で働いています。これについては後述します。
筆者は長いひきこもり状態のあと数年間フリーター状態を経験しました。
アルバイトはすべてクローズで通しました。比較的休みが多く、残業もないアルバイトだったので、勤怠に影響がなかったからこそクローズで通せました。
責任が大きい仕事を長時間やるうえではクローズで通し続けるのはやや困難が伴うと思います。
フリーターを経て最初についた仕事もクローズでした。
別の記事で述べていますが、最初独力で障害者雇用の仕事を探したところ、正確な数は覚えていませんが、数十社受けて一社も書類を通らないという状態になり、仕方なくクローズで就活したところ1法人目で採用されました。
支援機関にかからず障害者枠に応募することが非常にハードルが高いことだという認識がまだ無い頃で、独力だけで就活して数十社落ちたことで「障害者雇用には実質的に受からない」という誤った認識を持ち、クローズに舵を切りました。
しかし、これも別記するようにこの法人は福祉の仕事で、苛烈な労働環境とパワハラにさらされ、半年でダウンしてしまいました。
ただでさえ精神症状を抱えながらの仕事で、労働環境やパワハラにより体調を崩しやすくなっていました。
そのうえメンタル面のトラブルの悪化の原因はパワハラ等とは言え、まったく健全な状態からパワハラ等により精神のバランスを崩したのではなく、元から患っている病気があってのことなので、不調を来しても相談できませんでした。
退職直前にようやくメンタル面の相談を上司にできたのですが、病歴を詐称して入職したことは指弾されました。
お読みいただいている方の中には止むに止まれぬ事情でクローズ就労を検討されているかたもおられるかと思いますが、体調を崩しても相談できない、カミングアウトもできないという状況は筆者としては堪え難かったので、よほど病状が仕事に影響しないという自信がない限り、あまりお勧めはできません。
最初の正規職員での仕事を退職してしばらくの間のつなぎとしてパートで入職したのが現在の官公庁です。
このときは初めて障害者就労を専門とする相談支援事業所を利用しました。
求人応募に際し間に入ってくれたり、応募時には紹介状・推薦状を書いてくれたり、非常に手厚いサポートを受けることができて非常に驚いたのと同時に、それまで自分が単独で障害者雇用に応募して書類審査で不採用になり続けていたことにも納得がいきました。
特に雇う側の感覚からすれば、筆者ら精神障害者はほとんど会ったこともない、どういった障害なのか見当もつかない、そしてどう配慮していいかもまったく分からない類の人たちであって、間に入る専門機関なしでは手の出しようのない応募者とも言えるのです。
かくして、相談支援機関の仲立ちあってすんなり官公庁でのパートの仕事につくことができました。
ただ、前職と比べると尚更ですが、パートで入った職場は非常に和やかなところで、パワハラどころか陰口も滅多に聞かないような場所だったため、懸念していた勤怠に関わるようなメンタルの不調はほとんど発生しませんでした。
最初の一年は慣れない電話対応と窓口業務の際に尋常でない手汗が出続けていましたが、それも2年目にはほとんど収まりました。
むしろ、電話対応と窓口対応をこなし続けるうち、自分の中で解決不可能と思っていた対人不安の症状が、少なくとも現場ではあまり出なくなっていきました。
その後、別記のとおり仕事内容に興味が湧き、もっと詳しく関わってみたいと思うようになり、パートから正規職員への登用試験を受けて採用されるに至りました。
なお、勤務している官公庁は正規職員に障害者枠がなかったため、登用にともない雇用が障害者枠から一般就労に移りました。
ただ、障害については障害者枠の間にそれとなく周囲には伝えてあり、現在もそれとなく伝えるようにはしているので、ややオープンよりの一般雇用という状態になっています。
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