野菜を食べる

前項の睡眠と同様に、心身の健康状態をベースアップする要素が、ズバリ野菜です。


実家でひきこもっている場合には、家族が栄養バランスを考慮した食事を用意してくれる場合もあります。

しかし、同居でも家族との関係が悪い場合や、家族が栄養に無頓着な場合、一人暮らしをしながらひきこもっている場合には、努めて野菜を摂取する必要があります。


これは、ひきこもりを脱して社会生活をしていく上でも重要です。


野菜は調理が面倒で、かつ、お店に売っているパックのサラダ等は他の惣菜と比べると割高なので、殊に一人暮らしの場合にはつい疎遠になりがちです。

しかし、野菜が不足すると、少しずつ身体とメンタルにガタが来ます。


小学校で「食品は三色に分類され、緑の食品は身体の調子を整えます」と習ったことがあるかと思います。

アレを習うタイミングで野菜不足により不調を感じている児童はあまりいませんし、「身体の調子を整える」という曖昧な表現は子供心に響かないので、その後の人生でも軽視しがちになるのではないかと思います。


ただ、「身体の調子を整える」という表現は紛れもなく真実です。

端的に言うと、野菜が不足すると、体調が整わなくなります。


さらに、ひきこもり当事者の場合、かねてから野菜不足以外の様々な要因により、すでに体調が整わないことが普通になってしまっているので、尚更しんどさの一因が野菜不足にもあると気付きにくいのです。


過度な菜食主義に走る必要は全くありませんが、少なくとも毎日、「けっこう多いな....」と思うくらいの野菜を食べるように心掛けてください。


オススメはほうれん草や小松菜です。

物価の高い都内でも1束200円くらいで買えます。

これをおひたしにして食べます。1日に2食くらいに分けて、1束食べきるくらいで良いと思います。

1束が入りきるくらいのお鍋に熱湯を沸かし、束の葉っぱ側を持って、まず茎側だけを30秒くらい茹でます。

30秒経ったら、葉っぱ側も鍋に突っ込んで全体を湯に沈め、お箸で突っつきながらさらに30秒茹でます。

30秒経ったらお湯を捨てて、冷水で冷やします。

あとは、お好みの味付けで食べます。


硬い場合はもちろん茹で時間を調整する必要がありますが、ビタミン類は熱に弱いものが多いので、茹ですぎない方が良いです。火を止めてからも余熱でどんどん栄養が壊れていくので、すぐ水で冷やします。


それと、特に大事なのは、「美味しく食べる」という一点です。

有り合わせのマヨネーズとかでも良いですが、飽きると続かないので、できれば市販のドレッシングとか調味料を使って、美味しく食べ続けることができる工夫をしてください。

多少油分が多いドレッシングとか、高価めな調味料であっても、野菜を食べ続けるメリットの前では些末な問題です。

それに、脂溶性ビタミンは多めの油分と一緒に採らないと身体が吸収してくれません。


なお、野菜ジュースやサプリメントでは代用が利きません。

野菜ジュースは手軽で美味しいですが、やはり糖の含有量が高すぎるので、十分な量飲もうと思うと、糖分注意報です。

原材料は確かに野菜ですが、加工の段階で壊れたり、変性したりする栄養素もあるので、実物の野菜には敵いません。

また、野菜に含まれている栄養素の全てが同定されているわけではありませんし、同定されていても、実際にどういう経路でどの細胞にどういう影響を与えているのか未解明なものもたくさんあります。

サプリメントに配合されている栄養素は高々数十種類で、かつ古典的な栄養学的に必須なものが入っているだけなので、あくまで補助的手段にしかなりません。

帰ってきたひきこもり

不登校・留年・中退・長期ひきこもりを経て、35歳で準公務員に受かり、二児の父になったはなし。