禁煙したときのこと

筆者は30歳のとき、煙草をやめました。


結婚を決めた相手が非喫煙者で、筆者の喫煙をあまり快く思っていなかったので、「いつかやめなければ....」とは思っていたのですが、喫煙が心の支えになってしまっていたこともあり、なかなかやめることができませんでした。 


その相手と同居を始めたとき、喫煙不可の賃貸物件に住むことになったので、タバコは駐車場に出て吸うことになりました。  

まだ、いまほど回復しておらず、体調が悪い中なんとかアパートの部屋から這い出して駐車場へ行き、タバコを吸っていました。 


ちなみに、同居のためにかなり遠方から引っ越してきたばかりで、仕事はしていませんでした。 

家事はこなしていましたが、就活は上手くいかず、仕事もせず、外に出て1箱400円以上かかる煙草を吸う日々に強い罪業感を感じていました。 


そんなあるとき、物凄く体調が悪い日があり、喫煙のため駐車場へ出ることもできなくなることがありました。 1日半ほど、完全にタバコが吸えませんでした。 


最初の半日ほどは物凄い禁断症状で心が焼き切れそうでしたが、1日半ほど経ったころ、本当に若干ですが、禁断症状が落ち着きました。  


そのとき、「もしかして、このままやめられるのでは....」という考えが頭をよぎり、「どうしても吸いたくなったら吸おう」ぐらいの勢いで、偶然禁煙を始めました。  

正直、身体はものすごくしんどくて、「タバコを吸いに駐車場へ出るくらいなら、横になっていた方がマシだ。」という状態だったので、その体調を圧して全力でタバコを吸いに行く、というところまでは至りませんでした。 


体調が戻らないまま3日経ち、4日目になんとか起き上がれるくらいの体調に戻りました。  

ここまでで丸3日禁煙した状態で、やはりタバコがなくて苦しい感じはしましたが、初日ほどではなくなっていました。 


試しに、そのまま禁煙を続けてみると、吸えない苦しさは一週間でほぼ10分の1くらいまで減った感じがしました。 


その後、2週間・4週間と禁煙期間が2倍になるごとに、吸いたい気持ちが落ち着いていきました。 


それ以降、現在に至るまでずっと吸っていません。 


数年間はうっかり喫煙してしまう夢を何度も見ましたが、現在はそれもなくなりました。  


禁煙するにあたり喫煙具類を全部捨てたり、病院に通ったりと、一念発起して悲痛な覚悟を決め込む話をよく聞いていたので、呆気なく禁煙できてしまってとても意外でした。 


そもそも、筆者は「一念発起」や「悲痛な覚悟」が何より苦手で、上記のような方法は元より試さないと思いますし、試したとしても挫折していたと思います。 


体調の悪さに託けて、成り行きに任せたからこそ、禁煙できたのだと思います。


筆者はここ数年、長期ひきこもりからの脱出過程において、他にも同じように成り行きの中で色々と達成できた経験があるので、「正攻法」や「王道」から外れたところに活路を見出すことは、非常に重要なことだと思っています。 

(関連記事→ゲリラの流儀)  


しばらく未開封のタバコをお守り代わりに持っていましたが、賞味期限が切れたので捨てました。喫煙具類もそのときに捨てました。       

帰ってきたひきこもり

不登校・留年・中退・長期ひきこもりを経て、35歳で準公務員に受かり、二児の父になったはなし。